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勝井 三雄
故 勝井三雄Mitsuo Katsui

その15%がの差が、プロフェッショナルな品質であり、印刷に携わる者のポリシーである。
グラフィックデザインやビジュアルデザインは、メディアを通して表現されるものである。原稿の段階ではまだ作品ではなく、計画を指定したものである。それをメディアに置き換えて表現のかたちに再現し、またその過程で作られる中間部分をコントロールすることが、印刷メディアに関わるPDの役割である。原稿を解釈することから始まり、どういう適性が合うかなど、一貫性を持って印刷全体を計画していくことが求められる。
ポスター等の一枚物の場合にも、インク量の調整などを厳密に行わなくてはならないが、特にブック系の印刷の場合は、面付けの問題を考慮した上でインク量をコントロールしないと、ゴーストが出たり、満足な表現が出来なかったりする。また、紙が持っている特質を事前に理解し配慮することも必要である。こうして、問題の90%を未然に防ぐことで、現場での問題処理が残りの10%で済む。
そして、PDにとっては、経験値が貴重な財産となる。新しい紙やインクなどの素材が出た場合には、一般に出回る前にテストを行い、新しい素材で良い印刷を効率良く、短納期やコスト低減に反映させる。そうした具体的な事例やサンプルをいかに豊富に持っているかが、PDの質に関わってくる。
PD機能を持つ山田写真製版所では、中間的な問題を排除してくれるので、結果的に良い印刷物を短納期、低コストで実現できる。PDが関与しない印刷では、印刷の可能性が80%しか実現できないが、PDが加わることによって95%の可能性が実現できる。その15%の差が、プロフェッショナルな品質であり、印刷に携わる者のポリシーである。