STORY制作ストーリー

The Museum of MOTION

The Museum of MOTION

写真集

The Museum of MOTION

本書はトヨタ博物館が2017年に刊行した同館収蔵車両の写真集です。当社は、プリンティングディレクション、印刷に携わらせていただきました。

「組み合わせの妙」を持つ写真集

トヨタ博物館は1989年にトヨタ自動車の会社創立50周年を記念して設立され、広く世界の歴史に脚光を浴びたクルマが収蔵されています。トヨタの方針としては、「クルマは走ってこそクルマの価値がある」と言う考えの元、常に全て走行可能な動態保存を基本としています。

 

書名の「MOTION」には、クルマの動きは勿論、クルマをつくった人々が楽しむ人々の心の動き、そしてトヨタ博物館によるクルマとクルマ文化の継承の動きなどの意味を込めてあります。

 

この写真集は1度ならず、3度楽しんでいただける仕掛けがしてあります。「それぞれのクルマの美しさ」、「複数のクルマの組み合わせ」、「全体を通した大きなクルマの流れ」と三層構造の「楽しみ方」を持っています。

 

トヨタ博物館に息づく収蔵車を感じて頂くため、ほとんどの撮影をトヨタ博物館の敷地内で実施。晩秋から初夏にかけて撮影した数千ショットから選び抜かれた226枚の画像を調整しています。収蔵車から厳選した85台の車両を、トヨタ博物館ならではのテーマ選定に基づく30のグループに分け、グループごとに各クルマの歴史的意義にも及ぶ独自の説明文を付与しています。トヨタ博物館ならではの車両セレクションとストーリー、「組み合わせの妙」がお楽しみ頂けます。

最難関の壁を超えた当社独自のトリプルメソッドが誕生

 

車の発色性と素材感や艶の再現を追求するため、当社の製版技術、印刷技術を結集し、独自のトリプルメソッドが誕生しました。

 

1. FMスクリーンを採用し、細かいディテールの再現性や彩度を向上。

2. 製版設計が可能にする高濃度印刷で立体感や質感を再現。

3.従来のレギュラー4色より色域が格段に広いカレイド(東洋インキ)を使用。

 

この3つの手法の組み合わせは当社で初めての試みであり、最難関の壁を超えて実現した努力の結晶とも言えます。

製本は、上製本(糸かがり綴じ+フォローバック+PUR糊)を採用して、見開きの写真も見やすく、かつ耐久性を追求しています。

外箱は独自のハーフスリーブタイプとし、長期保存で本がたわむ事を防ぐために内部に支えを装着しています。

外箱の印刷はスミを2回さらにグレーを重ねるトリプルトーンで深みのある漆黒と微妙な諧調を表現が可能になりました。

表紙周り(表1、背、表4)はトヨタ博物館玄関前のアスファルトの模様を印刷した上にアスファルトを元に作製したエンボス加工、さらにベルベットPP加工を施しているため、しっとりといつまでも飽きのこない手触りとなっています。本書の企画・編集を担当したトヨタ博物館の布垣直昭館長は長年、トヨタ自動車で車両デザインに携わっておられ、質感へのこだわりを実体験させていただきました。

 

当社として、今回初めてトヨタ自動車様の案件に携わり、その企画、品質のこだわり、発想並びに着眼点の妙等いろんな面で大いに刺激を受け、大変貴重な体験となりました。これらの一つ一つを今後に大いに生かして会社の財産としていきたいと思います。
また、この案件で営業はもとより、管理課、製版課、印刷課、製本部は最大限の能力を発揮することができ、大きな自信となりました。

 

  • 書名:『The Museum of MOTION』
  • 発行者:トヨタ博物館
  • 形態:A3版変形(296mm x 312mm )
  • 収録写真数:226枚
  • 企画編集:布垣直昭(トヨタ博物館)
  • アートディレクター:田久保彬
  • フォトグラファー:田村孝介
  • ライター:川上浩平
  • スーパーバイザー:天木直司(元トヨタ博物館)
  • プロデューサー:小森洋一(セントラルプロフィックス)
  • プリンティングディレクター:熊倉桂三
  • 印刷:山田写真製版所
    オフセット印刷(カレイドインク+FMスクリーン)
  • 製本:渋谷文泉閣
    上製本(かがり綴じ+フォローバック+PUR糊)
  • 用紙:本文:MTA+-FS 菊判93.5kg
       表紙:印刷+型押し+ベルベットPP加工

トヨタ博物館ショップにて発売 11,000円(税込)

 

 

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